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『フェスティバル参加レポート』

●2009年3月14日(土)
●守口市民会館さつきホール
■演奏/フィルハーモニック・ウインズ 大阪

フィルハーモニック・ウインズ 大阪が主催する「オオサカン・ウインドバンド・フェスティバル’09」が、3月14日に守口市民会館さつきホールで開催されました。このイベントは、コンサート以外にもコンクール課題曲の実演・解説や各種公開講座、クリニックなど、内容が盛り沢山。今回「We Love Brass」編集部がその1日をお伝えします。
10:00 開場

あいにくの空模様の中、朝から大勢の学生がホールに詰め掛けました。

   
エントランスに入ると、楽譜の閲覧コーナーや吹奏楽のCD・DVD販売コーナー、他にもオリジナルグッズなどの販売コーナーがあり、さっそく手に取る人たちも。

10:30 公開リハーサル

午前中はホールで公開リハーサル。普段は見ることの出来ない、プロのコンサート直前リハーサルの様子を見学出来ます。
 
指揮者の加養浩幸さん、解説者の鈴木英史さんが紹介されステージに上がると、客席から大きな拍手が…。お二人が挨拶されると、早速公開リハーサルが始まりました。

♪フィルハーモニック・ステップス!

1曲目は、今日この日のために用意されたという「フィルハーモニック・ステップス!」。この曲では観客も手拍子などのボディパーカッションで演奏に参加することになっており、そのための楽譜が事前に配布されました。
まず最初にバンドだけの通し演奏があり、その後ティンパニ奏者がボディパーカッションの説明を行ないました。「冒頭は手拍子で始まります。最初の小節を2回繰り返して……そう、そのまま続けて〜」と、ボディパーカッションの練習は順調。途中からバンドの音が合わさると、曲も一気に盛り上がりました。

続いては今年のコンクールの課題曲。
「もう課題曲の練習してる所ってあるのかな?」という加養さんの問いかけに、客席の3分の1くらいの手が挙がりました。「今日の演奏を聴いて、それから決めるっていう所も多いんだろうね」(鈴木さん)。
♪課題曲W マーチ「青空と太陽」
「歌う一体感が難しい。けれど課題曲は育てるものと思ってるので、今は難しくても、きっとだんだん良い曲になってくると思う。ところで今年の課題曲はタッタラ〜ってリズムが多いよね?」(加養さん)。

おそらくこの曲を演奏するのだと思われる、中学生が懸命にメモを取っていました。

♪課題曲V ネストリアン・モニュメント
「客席で聴いてたけど、安定している所と、ちょっと危なっかしい所があるね」(鈴木さん)。「これね、シロフォンが強烈に難しいんですよ」(加養さん)。「四指はダメなの?」(鈴木さん)という問いかけには、シロフォン奏者が手でバツを作って返答。「あとね、2人で一音ずつやるのも、かえって合わせるのが難しくて。二音でムリするより、一音でやってもいいかも。テンポを落とすと、今度はサックスが歌えなくなるんですよ。サックスの5連譜、歌おうとするとズレそうで…バランスが難しい。採点側からすると、他がまったく一緒で、(シロフォンが)二音と一音という違いだけだったら、どちらを点高くしますか?」(加養さん)。「ん〜んん〜〜。いじわるな質問だね(笑)。ん〜〜、でも、全く一緒のバンドって無いからね(笑)」(鈴木さん)。
課題曲の楽譜を持ち込んでメモを取る学生の姿も多い。

♪課題曲U コミカル★パレード
「この黒い星が気になる曲ですが…(笑)。なぜ黒い星なんでしょうか? 「黒星」=「負け」など、あまりいいイメージがないのですが」(加養さん)「ん〜、きっと深く考えてないよ(笑)」(鈴木さん)。

♪課題曲T 16世紀のシャンソンによる変奏曲
「これ課題曲の中で一番難しい曲だと思うんですが」(加養さん)、「主旋律以外の役割が大きいよね。どれか一つでもダメだと全体的にダメになるような」(鈴木さん)と、単に技術的な難しさだけでなく、全体のバランスの難しさについてのコメントが多いのは、指揮者、作曲者という立場ならでは。
  

♪3つのジョージアの物語
5分間の休憩を挟んで、次は小編成レパートリー。さっきよりバンド構成人数が10人くらい減っています。
「3楽章続けてお送りしましたが、いかがでしたでしょうか」(加養さん)という問いに、「さっき(大編成)よりも音が鳴ってるような…(笑)。いや〜楽譜の力はすごいなぁ。楽譜がきちんと書かれているかどうかで、人数が少なくてもよく鳴ってるかどうかが決まるよね」(鈴木さん)。

♪ファンファーレと祝典の讃歌
「小学生にもオススメな曲です。楽譜が簡単だから音楽的なことも色々出来ますし」(加養さん)。


♪3つのプレリュード
「ガーシュインらしい、ジャズのエッセンスが感じられますね」(鈴木さん)。

♪ブローニュの森
「もう時間が無いのですが…最後にもう1曲だけ…! さらに人数が減って…何人かな? 全員で13人です」(加養さん)。

何とか公開リハーサルも無事に終了。
 
12:00 みんなで交流ランチタイム

お昼休みは当日来ている吹奏楽仲間やオオサカンの楽員と一緒に交流ランチタイム。各パートごとに部屋が分かれていました。

3F「寿の間」 金管・コントラバス・パーカッションなど
  
一番大きな部屋はやはり一番人数が多く、机をくっつけて昼食。学生のみんなはお弁当を持ち込み。

B1 1号室 木管(クラリネット以外)
 
フルートやサックス、ホーボエなどの木管楽器が集まる部屋。中には小学生らしき姿も見られました。

B1 多目的室 クラリネット
 
この部屋は全員クラリネット。下がカーペットなので、自由に座りながら会話を楽しんでいます。楽員もそれぞれの輪に加わっていました。
 
13:00 公開講座

AからFの6種類の講座が用意されていましたが、どれも立見が出るほどの大盛況でした。

A.呼吸が演奏の要!

肺呼吸・腹式呼吸の横隔膜の話から、有効な呼吸方法の話など。実際にみんなで呼吸の練習をしたりも。


B.仕掛の達人〜リード、マウスピース・リガチャーの話

クラリネットとサックスパートの楽員がリードの役割や選ぶ時のポイント、扱い方、マウスピースへのセッティングなどを解説。

C.知ろう、マウスピースの基礎知識(金管編)


普段なかなか知る機会のないマウスピースの基礎知識。楽器ごとの理論に基づいた選び方のポイントなども伝授。

D.マスターしよう、小物打楽器

単純そうで奥が深いウッドブロックやマラカス・トライアングルなどの小物打楽器の音の出る理論、音を出すためのテクニックを実演を交えつつ解説。

E.リズムが持つ力!

3連譜や符点音符のリズムの捕らえ方を、一拍を円の一周に例えて分かりやすく説明。また、体でリズムを覚えるために2人ペアで表拍・裏拍の練習も。

F.楽語テキスト教室

楽譜に書いてある音符以外の言葉、音楽用語(速度や表現など)を、語源や国、楽器の話も交えて解説。

13:00 小編成レパートリーコンサート

♪ブローニュの森(楢屋雅徳 作曲)
♪3つのプレリュード(ジョージ・ガーシュイン 作曲/西邑由記子 編曲)
♪ファンファーレと祝典の讃歌(ポール・ラヴェンダー 作曲)
♪3つのジョージアの物語(ロバート・シェルドン 作曲)
  T.アオサギとハチドリ
  U.トウモロコシ畑のカラスたち
  V.井戸に落ちたうさぎどん
公開講座と並行して、ホールのステージでは小編成レパートリーコンサートが行なわれました。リハーサルの時とは服装も変わって、皆さん本番仕様。少人数でも音がしっかり聴こえてくるのはさすがプロ! 小編成バンドの方々は大いに刺激を受けたのではないでしょうか。
 
13:45 特別公開講座

続いては指揮者の加養さんと解説者の鈴木さんの特別公開講座。千葉市立土気中学校吹奏楽部を指導する加養さんの、教育理念や練習方法、吹奏楽でのエピソードなど興味深いお話を聞くことが出来ました。

「厳しさと楽しさは半分半分だと思うんです。先生が厳しいばかりじゃダメだし、生徒が楽しいばかりでもダメ」(加養さん)。

さらに練習時間や練習内容、その上での具体的な目標を立てることの大切さなども話題に。また、指導していて一番つらいのは、生徒から部活をやめたいと言われることなのだそう。「忙しくて休みがとれないことよりも、給料を減らされることよりも、ずっと辛いですね」(加養さん)。

15:00 実演!’09吹コン課題曲コンサート

♪課題曲T 16世紀のシャンソンによる変奏曲(諏訪雅彦 作曲)
♪課題曲U コミカル★パレード(島田尚美 作曲)
♪課題曲V ネストリアン・モニュメント(平田智暁 作曲)
♪課題曲W マーチ「青空と太陽」(藤代敏裕 作曲)
♪課題曲X 躍動する魂 〜吹奏楽のための(江原大介 作曲)

きっとみんなが一番楽しみにしていたであろう、解説付きの課題曲コンサート。
詳しい解説内容はこちらの特設ページで。

課題曲Vの「ネストリアン・モニュメント」では、加養さんから「シロフォンはすごく難しいので、生徒が出来なくても先生は怒らないでね(笑)」というコメントも。

課題曲が4曲終わった時点で、なんとスペシャルゲストが客席から登場。会場となりの淀川工科高等学校から見学に来られていた丸谷先生がステージへ。「やっぱり生で聴くとわかるね。課題曲選びは毎年悩むけど、楽譜が難しそうだからとか楽器がないからとかで選んではいけないと思う。バンドとの相性があるから」(丸谷先生)と、日頃の課題曲選びの悩みについて話されました。また、去年の大阪府大会から関西大会の間に課題曲を「T」から「U」に変更した裏話についても…。
「丸谷先生が、こうやって悩む先生、努力する先生だから、僕らもいろいろ学ぶことが出来るんです」(鈴木さん)。
  
「でも皆さん、加養さんと鈴木さんの2人も呼んで贅沢やね〜!1人でもすごいことやのに(笑)。それとこのホールは響かないでしょ〜? 本当はバンドももっと上手いんだよ?ホールが響かんのよ!(笑)。ここで鳴らせたら普門館行けるよ!(笑)」(丸谷先生)と会場を沸せて客席へ戻られました。

16:00 世界初演に参加しよう♪

♪フィルハーモニック・ステップス!―オオサカンとみんなのために― (福田洋介 作曲)
課題曲が終わると、次は「フィルハーモニック・ステップス!」。公開リハーサルでも説明のあった観客参加の手拍子や足踏み、フィンガースナップ、ハミングなどを、みんなで再度一緒に練習。
「これが世界初演です。もしCDになったら、初演の出演者は全員名前が載るからね!(笑)」(加養さん)。本番の演奏も無事成功。客席も大いに盛り上がり、楽しいコンサートとなりました。

コンサートの後は休憩を挟み、客席での楽器別ワンポイントアドバイスが行なわれました。


16:45 楽器別ワンポイントアドバイス

ホール客席のあちこちに楽員が散らばり、学生たちにアドバイスを行ないました。実際に楽器を使って指導してもらったり、普段学校ではなかなか聞くことの出来ない質問や悩みを相談したりと、参加された学生の皆さんにとっては、とても充実した一日となったのではないでしょうか。